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【子育てに恐怖心は必要か?】

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『子供を怒鳴りつけて 言うことを聞かせる』

「子供に良い子育てを~~」
そう思っていてもついつい怒鳴りつける事で
言うことを聞かせていませんか?

気をつけていても
ついついイライラして 力で押さえつけて黙らせてしまうん時があるんですよね。
大人の思い通りの行動をする幼児が良い子なハズがない、そんな事わかっているのに
爆発してしまう時もあります。

これなあに?
これどうして?
そういった子供の純粋な問いかけに答えてあげてください。

 

『子供を怒鳴りつけて 言うことを聞かせる』
子育てに恐怖心は必要でしょうか?

保育の現場から
保育士、お餅さんのインタビュー

お餅さんが2歳児の担任をしていた時のお話です。

 

1歳児を担任した先生が
とても怖かったです。

かつて体験した事が無いレベルの怖い先生でした。
大人の保育士が怖い、と感じるのですから、
1歳児達は本当に背筋も凍るほどの恐怖を日々感じていたと思います。

「寝なさい!」
「ご飯もっと食べなさい!」
「何でも自分でやりなさい!」
「一人で出来ないようじゃあ困る!」

何かいけない事を子どもがしても

「ダメダメダメーーー!!!!」
「何やってるのー!!!!!」

活字にすると熱量が伝わりませんが
尋常ではない恫喝なのです。

少し前にワイドショーで騒がれていた

「このハゲー!!!!」の なんとか議員のあのレベルのテンションです。

ただただ恫喝し威圧し上から怒鳴るだけ、、、

何でそれをしてはいけないのかも伝えようともしない。

やめなさいとか、ダメとかそんな簡単な方法で大きな声だけ出して
言う事を聞かせる
そんな保育のやり方でした。

 

何故このようにするかというと
理由は簡単です。

一番早く子どもに言う事を聞かせる

近道だと考えて(勘違いして)いるからです。

 

 

保育士の言う事を子どもが聞いてくれれば
子どもは保育士の言葉かけだけで動きます。
保育士自身が楽です。

[保育士の都合の良い保育]
という事です。

それは
一見一番近道に見えて
一番遠回りなのです。

その当時
私(お餅さん)は2歳児担任でしたが
二度ほど
その先生が遅刻してきた時に
その先生の代わりにお手伝いに入った事があります。

怖い先生がいない
押さえつける先生がいない

子ども達はやりたい放題

机には上る
お昼寝の時間だから布団を敷いて寝ようね、と声をかけても
クラスの9割がクラス内を走り回ってしまって
布団にさえ入ってくれません

もう私もお手上げ状態、、

注意したところで
私(お餅さん)なんて怖くも何ともないから言うことも聞かない

そんな時
その怖い先生が出勤してきました。

廊下から
その先生の声が聞こえただけで全ての子どもが一瞬で布団に入りました。

1歳児クラスです。
もう人を見ているのです。

一年の終わりに近づいた頃
園長から呼ばれ

「来年度、怖い先生のクラスの担任になって、子供達を正常化に導いてください」
と言われました。

私にはそこまでの経験もないし、器もない
他のベテランの先生こそ適任です、と
抗議しましたが
園長の意思は変わらず

私がその子達の担任になることが決まりました。

●お餅さんのクラス治療スタート

4月
案の定、、、
誰も私の言うことなど聞かない、、

もう怖い先生はいない
我慢しなくていいんだ

子ども達は羽を伸ばし
いくら伝えても教室内を走り回る
机は上る
おもちゃは投げる、、、
私の言う事なんて聞きはしない
そんな状態でした

強い力で子ども達を押さつけることは絶対にしない、と決め
私なりに模索しました

まずは押さえつけられて一年過ごしてきてしまった毒素を取り除かなければならない。

①羽を伸ばしたいならまず伸ばさせてあげよう!

②走り回りたいならば
すぐに外に出よう

③牛乳も椅子に座って飲まないならば今は飲まなくてもいい

そう割り切り
登園してきた子から開放感があるテラスに誘導し
そこで牛乳を飲ませて
全員登園したと同時に園庭に出しました

とにかく思う存分遊んで
走って

心の解放を
そして発散を、と思いました

それと同時に
登園した子から
抱きしめ
名前を呼び
待ってたよー
大好きだよー
声をかけていきました。


5月くらいでしょうか?
ひとりの子どもが友達を叩いてしまいました。

私(お餅さん)が その子に
「お話ししたいんですけど 今良いですか?」
と聞くと

「うんっ 」

ちゃんと話を聞いてくれるようになってきました。

 

その内にどんどん
牛乳も椅子に座って飲めるようになる。

私の声かけで
布団にも入る
クラスがどんどん落ち着いていき

全く困らないようになりました。

この一年が
私(お餅さん)を保育士として大きく成長させてくれ、
大きな自信となりました

私は絶対に威圧して言う事を聞かせようとしませんでした。

聞いてくれるようになるんです。

怒鳴らなくても
脅さなくとも

子どもはきちんと。

 

 

これは保育園の出来事で極端な話ですが

家庭においても
力で子どもに親の言う事を聞いてもらおうとしていないか?と

もう一度考えてもらいたいのです。

この先生がやったように

子どもが自ら学び
自ら気がつくチャンスを与えず
上から押さえつけていると

必ず歪みが生じます。

近道のようで
何よりも遠回りになると
私は思うのです。

怒鳴って押さえつけて 尊重も信頼も無ければ 子供はどんどん歪んでいきます。
1年かけて モンスターを作り上げたようなものです。

ムチで叩いて言う事を聞かせる 家畜を作っているのではないのです。

愛情を持って心を導いていけば そもそも恫喝する必要など無いのです。

子供はあなたを見ています そして吸収していきます。

愛情をたくさんたくさん吸収させてあげてください。

 

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